リモートワークの導入を検討するものの、躊躇してしまう代表的な理由は「情報漏洩のリスク」です。リモートワークは自宅やコワーキングスペース、カフェや図書館など会社以外の場所で仕事をしていますが、機密情報が第三者の目に触れてしまうリスクが高くなります。会社用のパソコンやタブレット端末を紛失したり、盗難の被害に遭ったりする可能性もあります。
情報漏洩は企業の信頼や価値を大きく損ねることにつながります。そのため、セキュリティソフトのインストールを義務付けることや、従業員のセキュリティに対する意識を高める教育や対策が必要です。
リモートワークのデメリットは情報漏洩のリスクだけではありません。従業員の適切な労務管理と人事評価が適切にできないこともリモートワークの大きな課題です。リモートワークは出社するのと違い、従業員の管理が難しくなります。直接確認できないため、法定労働時間を超える長時間労働になったり、上司や先輩の目が届かないため集中力を継続することが難しくなったりしてもなかなか気付けません。
2019年4月から順次施行がスタートした働き方改革関連法では、雇用する側の事業主に対して客観的な方法で労働時間を把握することを義務付けています。そのため、始業時刻や就業時刻などの管理を遠隔でもできる勤怠管理ツールを導入する企業も増えています。
また、出社しないことで仕事に対する姿勢なども評価しにくくなりました。従来の方法ではなく、評価基準について見直したり、成果物への評価がそのまま人事評価となるシステムを作って評価する必要があります。
リモートワークと出社の大きな違いは、同僚や上司と直接顔を合わせてコミュニケーションを取る機会が少ないということです。その結果、業務に必要な情報が共有されずに誤った認識で判断してしまう可能性もあります。チャットツールなどを活用して、リモートワークでも従業員同士が十分なコミュニケーションを取り、情報が共有できるように仕組みを構築することが重要です。
「一人で作業をしていると孤独を感じる時がある」「丸一日、誰とも会話をしなかった」という声もリモートワークを実施している企業の従業員からよく聞かれます。これは出社しているときに比べて、コミュニケーションを取る機会が圧倒的に少なくなったからですが、孤独感が強くなって精神的に不安定になり退職に発展してしまうケースもあります。企業は従業員の精神的健康を守るためにメンタルケアなども定期的に実施していかなければなりません。
リモートワークのお仕事と言えば、フリーランスのイメージが強いかもしれません。しかし最近では大手企業の正社員や契約社員もリモートワークを導入しているところが増えています。エージェントを活用して案件を探しましょう。
自宅でのリモートワークで一番大切なことはメリハリをつけることです。きちんと身だしなみを整えて一日のスケジュールを作成しましょう。仕事とプライベートの時間を区切ることで長時間労働防止にもなります。
リモートワークとは、出社せずに会社と離れた自宅やカフェなどの外出先で仕事をすることです。テレワークと意味はほとんど同じです。在宅勤務との違いは仕事場が自宅に限定されているかどうかです。